岸田政権の「リスキリング支援」表明から約1年、最も多い疑問に識者が答える(写真:mapo – stock.adobe.com)

「リスキリング」とはよく聞くけれど、結局、自分は何をしたらいいのか──。岸田政権が「5年で1兆円」の予算を掲げ、積極的に旗を振っているのは知っていても、「自分自身が何をするか」まで落とし込めている人は多くないのではないだろうか。リスキリングに関する最も多い疑問である「何をしたらいいか分からない」について、『リスキリング【実践編】』の著者である後藤宗明氏が解説する。

(*)本稿は『リスキリング【実践編】』(後藤宗明、日本能率協会マネジメントセンター)の一部を抜粋・再編集したものです

5年で1400万件の“雇用消失”

 2023年5月、世界経済フォーラムが開催した「Growth Summit 2023」で衝撃的な発表がありました。あわせて出された『The Future of Jobs Report 2023』において、2027年までの5年間で雇用創出は6900万件、雇用消失は8300万件、差し引き1400万件の雇用の純減が見込まれるという予測が発表されたのです。

 新しいテクノロジーやグリーン分野で今後5年間に新たに創出される雇用数と、経済的影響と労働の自動化によって消失していく雇用数を比較して、雇用消失が進んでいくということです。

 こうした中で注目されているのが「リスキリング」です。