生成AI(人工知能)に使われる米エヌビディア(NVIDIA)製の画像処理半導体(GPU)の供給体制が改善してきたようだと、米CNBCが報じている。
MS幹部「手に入れやすくなっている」
米マイクロソフト(MS)でGPU予算の管理を担当しているケビン・スコットCTO(最高技術責任者)が、米カリフォルニア州デイナポイントで開催されたカンファレンスで「エヌビディア製半導体は、数カ月前よりも手に入れやすくなっている」と語った。
それによると、スコット氏は「需要はエコシステム全体が供給できる量をはるかに上回っているが、この問題は解決しつつある。まだ厳しい状況だが、週ごとに状況は改善しており、この点では悪いニュースよりも良いニュースのほうが多い。素晴らしいことだ」と述べた。
エヌビディアが手がける画像処理半導体は、米オープンAIの「Chat(チャット)GPT」のほか、マイクロソフトなどが開発する同様の言語生成システムなど、多くのAIツールの計算機能を担っている。加えて、マイクロソフトはオープンAIへ出資し、包括的パートナーとして自社のクラウド基盤をオープンAIへ提供している。
AIブームで時価総額1兆ドル
こうしたなか、エヌビディア製の画像処理半導体への需要が高まっている。エヌビディアが先ごろ発表した2023年5~7月期の決算は、純利益が前年同期比9.4倍の61億8800万ドル(約9200億円)となり、過去最高を更新した。売上高は同2倍の135億700万ドル(約2兆200億円)で、こちらも過去最高を更新した。同社は23年8~10月期の売上高が前年同期比170%増になると見込んでいる。粗利益率は過去1年で44%から70%に上昇した。