写真はイメージです(出所:Pixabay)

(湯之上 隆:技術経営コンサルタント、微細加工研究所所長)

2023年Q2の半導体メーカーの売上高ランキング

 米調査会社のセミコンダクターインテリジェンス(Semiconductor Intelligence)は2023年8月14日、2023年第2四半期(Q2)の半導体メーカー売上高ランキングトップ15を発表した(「23年Q2の半導体企業売上高ランキング、トップはインテル」EE Times Japan)。

 しかしこのランキングに筆者は不満がある。それは、セミコンダクターインテリジェンスがランキングにファウンドリ(半導体受託製造企業)を入れない方針であるため、台湾TSMCの順位が分からないことである。そこで、TSMCの決算報告のデータを調べて、それをセミコンダクターインテリジェンスランキングに書き加えてみた(図1)。

図1 半導体メーカー売上高トップ15(2023年Q1とQ2)
出所:セミコンダクターインテリジェンスおよびTSMCの決算報告のデータを基に筆者作成
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 その結果を見ると、1位はTSMC、2位は米インテル(Intel)、3位はサムスン(Samsung)、4位は米エヌビディア(NVIDIA)、5位は米ブロードコム(Broadcom)、6位は米クアルコム(Qualcomm)などとなっている(4位と5位は予測)。

 日本メーカーとしては、車載半導体ビジネスが好調なルネサスが15位にランクされたが、NANDを生産しているキオクシア(KIOXIA)はトップ15圏外に落ちたようだ。

 ここで目を引くのは、2023年Q1からQ2にかけて、エヌビディアが69.2%も成長したことである。そのエヌビディアは決算に、カレンダーイヤー(Calendar Year、CY)ではなく、会計年度(Fiscal Year、FY)を採用している(図2)。そのため、CYで決算発表を行っているインテルやサムスンとは決算発表の時期が1カ月異なる。そのような事情から、セミコンダクターインテリジェンスのランキングでは、エヌビディアの売上高が「予測値」と書かれていた。

図2 NVIDIA(エヌビディア)のFY(Fiscal Year、会計年度)とCY(Calendar Year、カレンダーイヤー)の違い

 それでは、本当のエヌビディアの順位はどこなのか? 本当に4位なのか?