「Replika」のようなチャットボットコンパニオンを利用する人は増えている(写真:Jaap Arriens/NurPhoto/共同通信イメージズ)
  • 生成AIの登場によって飛躍的な進化を遂げているチャットボット。三鷹市の「サリー」やマッキンゼーの「リリー」など、そうしたチャットボットには名前がついていることも少なくない。
  • チャットボットの擬人化には、ユーザーとの関係が深まるなど効果的な面もあるが、一方で過度の信頼感が生まれるといった弊害も指摘されている。
  • 生成AIは、事実でないことを、まるで事実であるかのように表現する文章を生み出すこともある。擬人化されたAIがあふれる時代、AIに騙されないと言いきれるだろうか。

(小林 啓倫:経営コンサルタント)

マッキンゼーの「リリー」

 筆者が以前住んでいた東京都三鷹市では、ごみの分別情報を知らせるサイトにチャットボットを導入している。

 使い方は簡単で、サイトにアクセスして画面左下に表示される鷹のキャラクター「サリー」をクリックすると、チャット画面が開いて質問を入力できる。回答は提示された選択肢から選ぶこともできるが、新たにテキストを打ち込むことも可能だ。

チャットボット ごみの分別案内(三鷹市)

 ちなみに、木の枝は「燃やせるごみだよ。ひもで束ねて出してね。ただし、長さ80cm、太さ8cm以下のものに限るよ。直径50cm以下に束ねて出してね」だそうだ。

 同様のチャットボットは日本全国の自治体で導入されている。たとえば、東京都23区だけでも、中野区の「ごみのん」や墨田区の「すみにゃーる」、江戸川区の「くるん」などが存在している。

 ごみの分別方法は各自治体によって異なり、細かく分類・指定されている場合も多いことから、住民からの問い合わせが多く発生するテーマなのだろう。一方で「何を聞かれるのか」「どう答えれば良いのか」をある程度予測・限定できることから、比較的チャットボットを開発しやすいと考えられる。

 こうしたユーザーとの対話(チャット)を通じて何らかの目的を達成するアプリケーションのことを、文字通り「チャットボット」と呼ぶわけだが、最近の生成AI技術の発展により、チャットボットも飛躍的な進化を遂げている。

 特に、そうした高度なAI技術を活用し、幅広い質問に自然言語で対応できるアプリケーションを、「対話AI(Conversational AI)」と呼ぶことも増えてきた。

 そんな対話AIを、コンサルティング業界大手のマッキンゼーも導入したという事実が、同社のブログ上で発表された。

Meet Lilli, our generative AI tool that’s a researcher, a time saver, and an inspiration(McKinsey & Company)