(湯之上 隆:技術経営コンサルタント、微細加工研究所所長)
日本の前工程装置のシェア低下が止まらない
2022年の半導体製造装置メーカー売上高ランキングで、トップ10に日本企業が4社ランクインした。その4社とは、4位の東京エレクトロン(TEL)、6位のアドバンテスト、7位のスクリーン、9位のKOKUSAI ELECTRIC(以下「国際」)である。
しかし、日本の装置(特に主としてウエハ上にチップを形成する前工程装置)が危機的状況にあるため、「トップ10に4社ランクイン」したことを無邪気に喜ぶことができない。というのは、地域別の前工程装置の売上高について、日本のシェア低下が止まらないからだ(図1)。
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日本は、2010年頃までは米国とトップ争いを行っていた。ところが、2011年頃から急激にシェアが低下しており、2022年に日本のシェアは24%と、米国の49%の半分以下になってしまった。今のところ日本は、21.3%の欧州よりわずかにシェアが高いが、いつ欧州に抜かれて3位に転落してもおかしくない状態である。
本稿では、主な前工程装置メーカーの売上高、およびその成長率を分析することにより、なぜ日本の前工程装置シェアが低下するかを明らかにしたい。