モンスターペアレントに悩む教師は少なくない(イメージ写真:アフロ)

 韓国は現在、大変な少子化に追い込まれている。

 2022年の合計特殊出生率(TFR)は0.78で、世界で唯一、1人未満の出生率を記録中だ。

 日本も同じように少子化が憂慮されているが、TFRは1.26と、韓国に比べると深刻さはそれほど高くない。

日本の出生率を下回って20年以上

 韓国は2001年にTFRが1.30(日本は1.33)を記録してから、二十数年間で一度も日本の出生率を上回ったことがない。

 このままだと、韓国という国が消滅してしまうのではないかという危惧さえある。

 だが、少子化が進む間、韓国は経済的には異例な高度成長を遂げてきた。そして、女性の学歴も高くなり、就職率も高くなった。

 特に、安定した職業といえる官僚(高級公務員)への関門となる行政考試では、首席や成績優秀者に占める女性の割合が高くなっている。

 つまり、少子化の裏には、女性の社会進出や韓国の先進化があるのだ。

 子供の数が少なくなると、子供を大事にする人が多くなる。自分の子だけを大事にし過ぎて、過保護になる。

 過保護な親がモンスターペアレントになって、小学校の教諭を自殺に追い込んだことは、前にもこのコラムで取り上げた(「韓国と日本、どっちのモンスターペアレントが凶暴で手に負えないか」)。

 現在、韓国では教諭たちの自殺が大きな問題になっている。

 発端となったのは、前回取り上げた7月末に学校で自殺した教諭の話が表沙汰になってからだ。