ロシアを訪問中の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が、9月13日、ロシア極東アムール州のボストーチヌイ宇宙基地で、ウラジーミル・プーチン大統領と再会を果たした。平壌から「1号列車」(かつてスターリン書記長が金日成主席に贈ったお召列車)に乗って、延々と2300kmを超える旅だ。
前号のこのコラムで書いたように、4年前のウラジオストクでの初対面は、金総書記にとって「屈辱の会談」で、手ぶらのまま予定を早めて帰国した。
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1対1で2時間も
ところが今回は、互いににこやかに見つめ合ったまま、約40秒も双方の手を離さない。特に前回と違って、金正恩総書記の威風堂々とした態度が印象的だった(冒頭の写真参照)。
逆に、プーチン大統領の方が、終始作り笑いを浮かべ、金総書記に気を遣っているように映った。2人はそのまま、テタテ会談(通訳だけを入れた1対1会談)も含めて、約2時間会談した。
強権国家同士の場合、テタテ会談が長いほど、「秘密の話」がまとまる傾向にある。さらに、同宇宙基地の視察や夕食会なども含めると、両首脳は5時間以上も、ともにいたことになる。プーチン大統領は道中、自らの大統領専用車に金総書記を乗せて移動するなど、VIP待遇ぶりを演出した。