精力的な軍需工場視察
長く「引きこもり」のように蟄居していた金正恩(キム・ジョンウン)総書記が、このところ、頻繁に各地の軍需工場への視察にいそしんでいる。
きっかけは、7月27日の「朝鮮戦争勝利70周年」に、ロシアからセルゲイ・ショイグ国防相が訪朝したことだった。ショイグ国防相は、これまで北朝鮮を蔑視していたロシアの要人たちとは打って変わって、金正恩総書記にヨイショしまくり。終始、平身低頭で金総書記を称えたのだった。
それもそのはず、ウクライナへ侵攻を始めて1年半が経過したロシアは、いま喉から手が出るほど武器が欲しいのだ。特に北朝鮮の武器は、もともとソ連・ロシアの技術を全面的に輸入したため、規格が「ロシア基準」。ロシアとしては、輸入したその日から、ウクライナでの実戦に使えるのだ。
8月以降、朝鮮労働党中央委員会機関紙『労働新聞』が報じた、金正恩総書記の軍事関係の視察は、以下の通りだ。
・8月3日~5日 テグ警防射砲弾生産工場を始めとする重要な軍需工場を現地指導
・8月11日~12日 戦術ミサイル生産工場を始めとする重要軍需工場を現地指導
・吳仲洽(オ・ジュンフプ)7連隊称号を授与された朝鮮人民軍海軍東海艦隊近衛第2水上艦戦隊を視察
・8月27日 朝鮮人民軍海軍節を迎え、海軍司令部を訪問
・8月29日 朝鮮人民軍総参謀部訓練指揮所を訪問
・9月3日(報道日) 北中機械連合企業所及び重要な軍需工場を現地指導