プーチン・金正恩会談で何が出て来るのか・・・(写真は2019年4月25日・ウラジオストクでの会談、写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

プーチン・金正恩会談に警戒感

 北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党総書記とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は2023年9月、ウラジオストクで会談すると報じられている。

 ホワイトハウスは米国の主要な敵対国である2国が武器交渉を「活発に進めることになる」として、警戒感を強めている。

 バイデン政権のカリーヌ・ジャン=ピエール報道官は先週、「我々は以前から、ロシアが北朝鮮から軍需品を積極的に入手することを警告してきた」と発言。

 2国が今まで以上に緊密になることで、ジョー・バイデン大統領も新たな対応策を考えざるを得ない状況になってきている。

 米バージニア州ジョージ・メイソン大学公共政策大学院のマーク・カッツ教授は、「(今回の会談は)より直接的でオープンな『新たな支援の時代』を示唆するもの」と述べ、国際関係に新たな緊張が生まれつつあると指摘する。

「新たな支援の時代」というのは、これまで北朝鮮が軍事物資を海上輸送してきたのは輸送を隠蔽するためであり、これからは直接、鉄道を使ってロシアに送ることになるという。

 プーチン大統領は金正恩総書記からロシアに砲弾や対戦車ミサイルが送られてくることに満足すると同時に、ロシアは北朝鮮に人工衛星や原子力潜水艦の先端技術を提供するという、両国にとって相互利益になる関係が構築されようとしている。

 ホワイトハウスはプーチン氏と金正恩氏が武器取引を協議する書簡の情報を得たことを明らかにしている。

 その事実を踏まえ、ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)のエイドリアン・ワトソン報道官は「北朝鮮がロシアとの武器交渉を中止し、平壌がモスクワに武器を提供しない、あるいは売却しないという公約を守るように強く求める」との声明を発表した。

 だが、それはあくまで米国側からの「願い」を込めた声明であって、両国がそれに素直に応えるとは思えない。