マコネル処遇は三度目の正直で決まる?

 ワシントンの政界通、U氏は今回のマコネル騒動についてこうコメントする。

「マコネル氏はバイデン氏とも昵懇の中で民主、共和両党対立の中でバイデン氏にとっては難しい対議会運営では頼りになる存在だ」

「だから今回も気遣っていた」

「保守派メディアが直ちに辞任要求をし始めた背景には、国民の間に浸透しているバイデン氏の高齢問題との関連があるからだ」

「マコネル氏が今後、また発語障害を起こせば、党内の辞任要求は津波現象を起こすだろう。三度目の正直だ」

「マコネル氏をこのまま残せば、大統領選では共和党は大打撃を受ける。これは党指導者の失態を超えた政治問題になる要素をはらんでいる」

中曽根氏:政治家は年齢で判断するな

 高齢であることイコール政治家失格という論理には飛躍がある。

 2006年、虎ノ門の事務所に中曽根康弘元首相(享年101歳)を訪ねたことがある。すでに95歳だったと記憶している。

 その時、90歳を超えてなお活躍されている世界の政治家の話を持ち出した(事前にその準備をしておいたのだが)時に同氏はこう言い切った。

「高濱君、人間は年齢じゃないよ。その時に何を考え何をしているかだ。80歳になったから大統領は失格だ、引退すべきだ、というのは暴論だ」

「よろけたり、転んだりすることはある。記憶が鈍ることもある。だが国のために何をすべきかを考える力は、いくつになってもある人もいれば、30代、40代でもない人もいる」

「その能力があるかないか、自分自身が一番分かっているはずだ。それが正真正銘のポリティシャンだ」

 バイデン氏やマコネル氏を庇うつもりはないが、「高齢問題」がメディアを賑わすたびに、この中曽根氏の言葉を思い出す。