8月26日、イタリアとの強化試合に臨んだラグビー日本代表(写真:PA Images/アフロ)

 なでしこジャパンがニュージーランドの女子サッカーW杯で見事な試合をし、ベスト8で敗れはしたものの、世界中に日本女子サッカーをアピールしてくれた。その余韻が残っているところで今度は9月8日からフランスでラグビーW杯が開催される。

 その代表メンバー30人が15日に発表された。本来なら33人が選出される予定だったが、選考する選手のケガの具合などをみるために最終的には27日のメンバー締切日に選出されることになった。

 失礼ながら、正直、「期待が持てるメンバー」とは言い難い陣容だった。もっとも事前合宿に呼んだメンバーから選ばれることは予想していたので、その意味で事前の期待度も高くなかったのだが……。

強化試合での体たらく

 7月から日本チームはW杯に5週連続で強化試合を行った(リポビタンDチャレンジカップ2023)が、1勝4敗という散々な結果であった。

 7月8日、15日のオールブラックスXVとの2試合は大差負けだった。

 22日に北海道で行われたサモア戦は元キャプテンのリーチマイケルが前半30分にハイタックルの反則を取られて一発退場をくらい、日本チームはその後1人少ない14人で試合を行わなければならなかった。リーチほどのベテランが一発退場になるほどの反則を犯すというのは情けない限りだ。ラグビー競技は毎年ルールの変更があり、今年はハイタックルなどの反則を厳しく取り締まることは国際ラグビー連盟から通達によって知られている。それなのにチームにそのことが浸透していないと指摘されてもしょうがない愚かなプレーだった。

 7月29日のトンガ戦には21-16で勝利したものの、5連戦の最終戦である8月5日の対フィジー戦では愚かなプレーが再現されてしまう。

 試合開始からわずか7分で、かつてチームの主将も務めたピーター・ラブスカフニが、危険なタックルでレッドカードを貰い、退場処分を食らったのである。ラグビーは40分ハーフだから試合のほとんどを相手チームよりも1人少なく戦わなければならなくなった。フランスW杯に向けて試したかったプレーもあっただろうが、これによってそれは全くかなわなくなった。