女子W杯準決勝のスウェーデン対スペイン戦はまさに劇的な試合展開となった(写真:ロイター/アフロ)

 15日、NZのオークランドでW杯女子サッカー準決勝のスウェーデン(SW)対スペインの対戦が行われた。なでしこジャパンは両チームと対戦して、スペインには4-0で快勝、そしてSWとは奇しくもこの会場で対戦し、1-2で惜敗している。

 SWに対してスペインがどのような攻め方をするのか、なでしこにとっても参考になる試合だった。

スペイン、勝利への執念の凄まじさ

 女子サッカー強豪国であるSWは第1回W杯から全て出場しているが未だに優勝は果たしていなく、もちろんスペインも優勝はない。FIFAランク的にはSWが3位、そしてスペインが7位で歴史上SWはスペインに負けたことがないので、スペイン選手には苦手意識があるのは容易に想像できる。しかし、スペイン選手たちには勝とうという意識がプレーから感じられた。

 お互いに足元のボールさばきは上手で、スペイン選手が絶妙の距離間を取っているのが印象的であった。そこをダイレクトパスが何本も通っていくスピーディな試合運びをスペインは取った。SWも足元のプレーは上手だが、スペイン選手はすぐにチェックする。徐々にスペインのボール支配率が高くなり、スペイン選手がペナルティエリア外でボール回しをしてチャンスをうかがうもシュートを打つコースがなかなか見つからずゴール前でのパス回しで終わることも多かった。結局前半はスペインのボール支配率が52%、SWは31%、シュートが3本のスペインに対しSWは1本で終了した。

 後半10分にスペインはFWを交代させオランダ戦で延長ゴールを決めた18番のサルマ・パラジュエロを投入する。長い黒髪が特徴的な彼女は陸上競技400メートルの選手だったのでとにかく速くSWのDFもマークをするのに苦労している様子がうかがわれた。後半になるとボール支配率はスペインが70%以上となり、スペインの攻勢が続き始めた。