(写真:ロイター/アフロ)

  米アマゾン・ドット・コムが米国の十数都市で、食料品の宅配サービス「Fresh」を拡大すると、米CNBCが報じている

Prime非会員にも食料品配達

 同サービスは年139ドル(約2万円)の会員プログラム「Prime(プライム)」の特典の1つとして提供しているが、今後米国の一部の都市では非会員も利用できるようになる。将来は、この非会員向けサービスを全米規模に拡大したい考えだという。

 当初対象となる都市は、カリフォルニア州サンフランシスコやマサチューセッツ州ボストン、テネシー州ナッシュビル、テキサス州オースティンなど。Prime非会員には、1回の注文が50ドル未満の場合、13.95ドルの配達料がかかる。配達料は、50ドル以上100ドル未満の注文では10.95ドル、100ドル以上では7.95ドルになる。

 アマゾンがFreshサービスを始めたのは2007年だった。これは同社がEC(電子商取引)で生鮮食料品を販売する最初の試みとなった。その10年後には、高質スーパーマーケットチェーン「Whole Foods Market(ホールフーズ・マーケット)」を137億ドル(当時のレートで約1兆5000億円)で買収するなど、同社は食料品小売事業を強化してきた。

 アマゾンは直営のスーパーマーケット「Amazon Fresh」やレジなしのコンビニエンスストア「Amazon Go」も運営している。

事業拡大計画、いったん停止

 だが、2022年に入ると、先行き不透明な経済を背景にコスト削減を重視。事業拡大計画をいったん停止した。同年には医療サービス「Amazon Care(アマゾン・ケア)」を終了。発売したばかりだった子供向けビデオ通話端末「Glow(グロウ)」の生産を打ち切ったほか、自律走行宅配ロボット「Scout(スカウト)」の試験運用を停止した。

 対面式書店「Amazon Books(アマゾン・ブックス)」や、ネット通販で評価の高い商品を集めた「Amazon 4-star(アマゾン・4スター)」、ショッピングモール内の小規模店舗「Amazon Pop Up(アマゾン・ポップアップ)」などの店舗も閉鎖した。