米アマゾン・ドット・コムはこれまで食料品の小売事業に数百億ドルを投じてきた。だが業界全体を見ると、同社の食品小売事業の規模は依然小さく、米国で上位10社にも入らない。米CNBCが2月19日に報じた。
食品小売事業に巨額投資
CNBCによると、アマゾンは可能な限り低価格で、考えられるすべてのものを最短時間で顧客宅に届ける基盤を構築するためにほぼ30年を費やしてきた。 ほぼすべての点で、これは企業の歴史上で最大の成功の1つだという。アマゾンは現在、電子商取引(EC)市場で揺るぎない地位を確立しているが、同社には1つだけ厄介な分野がある。それが食料品だという。
米国食料品小売市場の規模は7500億ドル(約86兆2300億円)。アマゾンはこの市場で巨大な存在になることを目指し、「Prime Now(プライムナウ)」や「Amazon Fresh(アマゾンフレッシュ)」「Amazon Go(アマゾンゴー)」などのサービス/実店舗事業を手がけてきた。2017年には、それまでの同社によるM&A(合併・買収)の10倍以上に上る137億ドル(約1兆5800億円)を投じ、高級スーパーマーケットチェーン「ホールフーズ・マーケット」を傘下に収めた。
先ごろは、21年6月末までの1年間におけるアマゾンの世界流通総額(GMV=Gross Merchandise Value)が6100億ドル(約70兆1300億円)となり、米ウォルマートの5660億ドル(約65兆700億円)を上回ったと報じられた。
米食料品小売市場で10位以下
だが、米市場調査のニューメレーターによると、21年12月中旬までの1年間の米食料品小売市場における「Amazon.com」と「ホールフーズ」のシェアは合わせて2.4%にとどまる。これに対し首位のウォルマートは18%。アマゾンは依然、米国の食料品小売市場でニッチな存在だと指摘している。