(写真:アマゾンHPより)
米アマゾン・ドット・コムは9月8日、傘下の高級スーパー「ホールフーズ・マーケット」に無人決済システムを導入すると明らかにした。2022年に米首都ワシントンと米カリフォルニア州の2店舗にレジなし決済技術を導入する。顧客は、スマートフォンのアプリや手のひら認証で入店し、レジに並ぶことなく買い物ができるようになる。
技術的に困難だった大型店舗対応
18年1月に直営コンビニエンスストア「Amazon Go(アマゾン・ゴー)」に正式導入した無人決済システム「Just Walk Out(ジャスト・ウォーク・アウト)」を初めてホールフーズに採用する。
ジャスト・ウォーク・アウトでは、店内の天井と商品棚に設置した数百基のカメラやセンサーで顧客や商品の動きを捉える。顧客が買いたい物を棚から取ると、仮想ショッピングカートにその商品が入る。一度手に取った物を棚に戻せば、カートから削除される。その後、欲しい商品をすべて持参したバッグなどに入れて店を出ると自動決済される。
これを実現するためにコンピュータービジョンやディープラーニング・アルゴリズム、センサーフュージョンなどの技術を使っている。これまでは、アマゾン・ゴーや小型スーパー「Amazon Go Grocery(アマゾン・ゴー・グロサリー)」などの小規模店舗に採用していた。
その後、大型店にも対応できるシステムの構築に成功し、21年6月に米ワシントン州のベルビュー市の直営スーパー「Amazon Fresh(アマゾン・フレッシュ)」に採用した。
22年にオープンする予定の首都ワシントンのホールフーズは、売り場面積が約2000平方メートル。ワシントン州ベルビュー市のアマゾン・フレッシュ(約2300平方メートル)とほぼ同じだ。これに対し、アマゾン・ゴーの売り場面積は約100~200平方メートル、小型スーパーのアマゾン・ゴー・グロサリーは約1000平方メートル。
米CNBCによると、現在、複数のスタートアップ企業が同様のレジなし決済を開発しているものの、大型店舗への対応は技術的な課題が多く、成功に至っていないという。
スマホアプリや手のひら認証などで入店
アマゾンによると、22年に開くジャスト・ウォーク・アウト導入のホールフーズは、3つの方法で入店できる。(1)スマートフォンの専用アプリのQRコードをゲートでかざす(2)「Amazon One(アマゾン・ワン)」と呼ぶ認証システムで手のひらをスキャンする(3)同システムにクレジットカードやデビットカードを挿入する。
いずれも、あらかじめアマゾンのアカウントとひも付けておく必要がある。買い物が終わったら、入店時と同じ方法でゲートを通って店を出る。その後スマホアプリでレシートを受け取れる。
自動決済を利用したくない顧客にも配慮しており、現金やプリペイドカード、商品券などの通常の方法での買い物も可能。その場合はセルフレジを利用するか、スタッフのいるサービスカウンターで会計する。
大型店への本格導入始まる兆し
これまで小規模店舗に限って採用してきたアマゾンのレジなし決済は、ホールフーズでの導入をきっかけに大型店への本格展開が始まるのかもしれない。
アマゾンが20年8月に米ロサンゼルス市内でオープンしたアマゾン・フレッシュ1号店の売り場面積は約3300平方メートルで、ホールフーズ店舗の平均的な面積とほぼ同じだ。アマゾン・フレッシュは現在、カリフォルニア州やイリノイ州、ワシントン州など米国で18店舗営業している。
アマゾン・フレッシュは英国ロンドンにも出店している。ロンドンでの現在の店舗数は6店。米国の店舗に比べて面積は小さいが、すでに全店でジャスト・ウォーク・アウトを導入済み。一方、ホールフーズは米国とカナダ、英国で展開しており、店舗数は527店。これにジャスト・ウォーク・アウト導入の2店が加わることになる。
(参考・関連記事)「アマゾン、直営大型スーパーにレジなし精算 初導入 | JDIR」






