入り口ゲートでQRコードをかざして入店。写真はAmazon Go Grocery(写真:AP/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムが店舗のレジなし決済システムの外販を始めると米CNBCなどが報じている。アマゾンはさっそく、ウェブサイトを立ち上げ、同システムを他の小売業者にアピールしている。

「わずか数週間で設置できる『Just Walk Out』」

 これは、直営コンビニエンスストア「Amazon Go」と同様の「Just Walk Out」と呼ぶ技術を他の小売店に提供するもの。

 Amazon Goの店舗では、顧客がAmazon Goの専用アプリで表示したQRコードを入り口ゲートでかざして入店する。あとは買いたい物を棚から取って自分のバッグに入れて店を出るだけ。顧客が店舗から出ると自動で決済が完了する。

 これを実現するため、店舗の天井と商品棚にカメラやセンサーを数百基設置している。これらの機器で捉えた客や商品の動きを、コンピュータービジョンやディープラーニング・アルゴリズム、センサーフュージョンなどの技術で把握する。

 CNBCによると、アマゾンが外販するJust Walk Out技術では、専用アプリに代えて、来店客のクレジットカードを使うという。カードをスキャンして店に入った後は、Amazon Goと同様に、欲しいものを棚から取って店を出るだけ。

 同社はこのシステムを「わずか数週間で既存店や新店舗に設置できる」としている。詳細は明らかにしていないものの、すでに数件の契約を結んだと、CNBCに語ったという。

空港内ショップや映画館チェーンに売り込み

 CNBCは昨年9月、アマゾンがAmazon Goのレジレス決済システムを他社に売り込んでいると報じていた。空港内でサンドイッチやサラダなどを販売している「CIBO Express」の運営会社である米OTGや映画館チェーン「リーガル・シネマズ」を傘下に持つ英シネワールド・グループに提案していると、事情に詳しい関係者は話していた。