米アマゾン・ドットコムが、現在米国で展開している「ポップアップストア(小規模・短期営業店舗)」は、今年(2019年)4月下旬までにすべて閉鎖されると、英ロイター通信や米ウォールストリート・ジャーナルなどが報じている。
その理由について、アマゾンは詳細を明らかにしていないが、おそらく同社の実店舗戦略が、ここに来て新たな段階に入ったからだと筆者は考える。
ショッピングモールや百貨店内の87店舗を閉鎖
ウォールストリート・ジャーナルによると、アマゾンは、2014年ごろからポップアップストアの営業を始めた。店舗の設置場所は、ショッピングモール内や、一昨年に買収した高級スーパーチェーン「ホールフーズ・マーケット」の店舗内など。
その1店舗当たりの売り場面積は、数十平方メートルと、ワンルームマンションほど。同社のAIスピーカー「Amazon Echo」や、タブレット端末「Fire」、電子書籍端末「Kindle」などを展示し、顧客が商品を試せるようにしているほか、これら製品の下取りも行っている。
同社は、米百貨店大手のコールズ(Kohl’s)とも提携し、「Amazon Smart Home Experience」と呼ぶ、約90平方メートルほどの売り場で、同社製品をはじめとするスマートホーム関連製品を展示、販売している。
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ウォールストリート・ジャーナルによると、これらの店舗は、極めて短期間のみ営業するものも少なくなく、わずか数カ月で閉鎖するものもあった。現在は、87店舗が営業中だが、これらのすべては、4月29日までに閉店する。