ロイターや米ブルームバーグによると、米アマゾン・ドット・コムは英国ロンドンでレジ精算不要の小売店をオープンするという。米国外で初の出店となり、今後同様のレジレス店舗を世界中に拡大する可能性があると報じている。
「Amazon Go」の技術を導入
アマゾンは2018年1月に、米ワシントン州シアトルでレジ精算不要のコンビニエンスストア「アマゾン・ゴー(Amazon Go)」の1号店をオープンした。現在は、コロナ禍で臨時休業中の店も含め米国内で全26店を展開している。
英ロンドンの店舗は、これと同様に天井と商品棚にカメラやセンサーを設置しているという。これらの機器で捉えた顧客や商品の動きを、コンピュータービジョンやディープラーニング・アルゴリズム、センサーフュージョンなどの技術で把握する。
顧客はスマートフォンの専用アプリで表示したQRコードを入り口ゲートでかざして入店する。その後は買いたい物を棚から取って自分のバッグに入れて店を出るだけ。
ロンドンの店舗は、スーパーマーケットよりも小さいという。生鮮食料品や食事、惣菜、「バイ・アマゾン(by Amazon)」と呼ぶプライベートブランド食品、アマゾンの電子機器を販売するほか、電子商取引で購入した商品の受け取りと返品場所にもなると報じている。
食品販売拡大の鍵は実店舗、出店加速
コロナ禍で電子商取引の需要が急増する中、アマゾンは食料品のネット販売に力を入れている。一方で、食品販売拡大の鍵となるのは実店舗とみており、コロナ後をにらみ出店を加速させている。
20年2月にはアマゾン・ゴーと同じシステムを導入しながら、4倍の売り場面積を持つ食品スーパー「アマゾン・ゴー・グローサリー(Amazon Go Grocery)」をシアトルにオープン。現在はワシントン州で2店出店している。