2015年、初の実店舗としてシアトルにオープンしたAmazon Books(写真:AP/アフロ)

 米アマゾン・ドット・コムが米国と英国で、対面式の書店「Amazon Books(アマゾン・ブックス)」を含む、計68の小売店を閉鎖すると米CNBC米ニューヨーク・タイムズなどが3月2日に報じた。

 同社全体の売上高が目覚ましく伸びているのに対し、これら実店舗事業は成長が鈍化している。リアル店舗戦略の見直しの一環として撤退を決めたという。

アマゾン初の実店舗「Amazon Books」閉鎖へ

 閉鎖対象となるのはAmazon Booksのほか、評価の高い商品を集めた店舗「Amazon 4-star(アマゾン・4スター)」、そしてショッピングモール内の小規模店舗「Amazon Pop Up(アマゾン・ポップアップ)」(アマゾンのウェブサイト)。

 閉鎖時期は場所によって異なるという。従業員は異動先の相談ができる。会社にとどまりたくない人には退職金を支払う。アマゾンは、閉鎖によって影響を受ける従業員の数を明らかにしていないという。

 アマゾンは2015年11月に同社初の実店舗としてAmazon Booksをオープンした。1号店の場所は本社があるワシントン州シアトルだった。その後毎年店舗数を増やし、現在米国の13州・地域で計24店を営業している。

 アマゾンのEC(電子商取引)サイトで評価の高い商品だけを販売する新業態のAmazon 4-starは18年にオープンした。現在、米国の25州で31店を営業中だ。

 モール内のAmazon Pop Upについては19年に多くを閉鎖しており、米国では現在8州・地域に9店あるのみ。これらがすべて閉鎖されるという。