サッカー女子ワールドカップで日本代表の「なでしこジャパン」が8月5日、決勝トーナメント1回戦でノルウェーと対戦し、3対1で勝利しました。グループリーグの試合などを振り返り、強さの理由を分析したJBpressの記事をまとめました。
(配信先のサイトでご覧になっている場合、下記の関連記事リンクまたは「JBpress」のサイトから記事をお読みください)
◎東京五輪での惨敗からわずか2年、なでしこジャパンの何が変わったのか
高倉麻子から池田太へ、指揮官交代がなでしこにもたらしたもの(8/3 JBpress掲載)
2023年7月31日はなでしこジャパンにとって記念すべき日となった。もちろん強豪相手であったスペインに4-0で大勝し、グループリーグ首位突破を決めた日だからである。なでしこはCグループにおいて3連勝、失点は0という素晴らしい結果を収めた。
しかし、である。人間は都合の悪い記憶を忘れてしまうご都合主義の動物だ。わずか2年前の21年7月30日、日本で何が起きたのかを覚えているだろうか。東京五輪に出場したなでしこジャパンがスウェーデンに3-1で敗戦、メダル獲得が最重要課題の自国開催五輪でベスト8に終わった試合があった日だ。《続きを読む》
◎強すぎるなでしこに世界が驚愕、強豪スペインを圧倒、グループリーグ首位突破
完璧な試合内容、見当たらない死角、再び世界の頂点に到達できるか(8/1 JBpress掲載)
7月31日、W杯女子サッカーグループリーグCの最終戦で、なでしこは同じ勝ち点で並ぶスペインと対戦した。
2戦目のコスタリカ戦では先発メンバーを第1戦時から4人も代えて驚かれたなでしこジャパン。このとき池田太監督は「誰が出ても力量はありますから」と試合後のインタビューに涼しい顔で答えていたが、このスペイン戦ではその第2戦から実に5人も代えてきた。
エース長谷川唯もメンバーに入っておらず、先発メンバー発表時にはネット上で「長谷川が入っていなくてなでしこは大丈夫か?」という書き込みもあったほどだ。
その心配が的中したかのように、試合序盤はスペインに押し込まれる形で進んだ。ところが前半12分、キャプテンDFの熊谷紗希から遠藤純へのパスが繋がると、遠藤からのアシストに反応してゴールに向かっていた植木理子と宮澤ひなたが走り込む。結局宮澤にボールが通り、それを受けた宮澤が冷静にGK脇を狙って先制点を挙げた。少ないチャンスをものにした貴重な先制点となった。
ただこれは快進撃の序章に過ぎなかった。《続きを読む》
◎挫折から復活した猶本光、W杯で日本人史上最年少ゴールを決めた藤野あおば
何が猶本を変えたのか、藤野のどこが凄いのか(7/30 JBpress掲載)
7月26日に行われたサッカー女子W杯グループリーグの第2戦、コスタリカ相手になでしこジャパンは前半の25分、27分に立て続けに得点し2―0で勝利、最終戦を待たずにグループリーグ突破をスペインと共に決めた。今回は得点を決めた猶本光と藤野あおばにスポットライトを当てる。
猶本光は出身地の福岡県のクラブチームでサッカーをしていたが、2010年、U-17に抜擢されて全国デビューを果たした。
2012年に東京で開催されたU-20女子W杯でも代表に召集され、チームは3位に輝いた。爽やかなルックスを持つ猶本の存在は、国立競技場に2万7000人もの観客を集めるほどのなでしこ人気の一翼を担ったのも確かだった。多くの週刊誌などが猶本のグラビア特集を組んだものだ。
ただ失礼ながら、当時の猶本は人気が先行している選手だった。選手として抜きんでた特徴があるとは思えなかった。《続きを読む》
◎グループリーグ突破も確定、猶本・藤野のゴールで快勝したなでしこジャパン
W杯第2戦でコスタリカを完封、上位進出も十分射程圏内(7/26 JBpress掲載)
なでしこジャパンがW杯でグループリーグ2戦連続の勝利を決めた。26日午後にニュージーランド南島のダニーデンで北中米代表のコスタリカとC組の第2戦が行われ、なでしこは2-0で2連勝を飾った。
コスタリカは昨年7月の北中米予選で4位となりW杯出場権を獲得。2015年以来のW杯2度目の出場であるが、W杯ではまだ勝利をあげていない。またFIFAランクでも日本の11位に対して36位と格下と見られていた。2017年4月に熊本で強化試合を行っているが、この時には3-0でなでしこが勝利している。
そのコスタリカとの一戦、なでしこは第1戦のザンビアと同じ3-4-3の布陣で試合に入った。これは7月14日に仙台で行われた対パナマ戦でも使ったフォーメーションであり、どちらの試合も5-0で完勝し、被シュートを共に0本で抑えている。
しかし、このコスタリカ戦では、池田太監督は先発メンバーを4人代えて試合に臨んだ。《続きを読む》
◎ザンビアに完勝、最高のスタート切ったなでしこジャパン
驚異的スピードを持つ相手国エース「バンダ」を完璧に封じた鉄壁の守備(7/23 JBpress掲載)
不気味な存在だったザンビアを相手に、なでしこジャパンが最高のスタートを切った。
7月20日に開幕したFIFA女子ワールドカップ。22日に、日本がいるCグループの初戦対ザンビア戦が行われた。
FIFAランクで11位の日本に対し、77位のザンビアは格下と思われていたが、7月7日の国際親善試合でFIFAランク2位のドイツとドイツ国内で対戦したザンビアは3対2で勝利を収めて世界中をあっと驚かせた。ザンビアの中心は背番号11のエースで身体能力の高いFWのバーバラ・バンダ。日本にとっても、このバンダをどのように抑えるかが試合の焦点だった。《続きを読む》