斬新な発想、橋桁移動旋回工法
最先端の橋梁技術を駆使したPCエクストラドーズド橋の建設に際しては、旧橋の一部保存と運休期間短縮のため、奇想天外な施工法が展開された。
まず、東側部分を既設のトンネルに接続させなければならないが、接続部は旧橋の軌道と重なるため一定期間の列車運休が必要だった。この運休期間を短縮するため、トンネル接続部の橋桁を旧橋に隣接(南側)して製作し、旧橋の東端部を撤去した後に所定の位置に移動させる計画とした。
このため、長さ約90m、重量約3800トンのS字状の橋桁を、油圧ジャッキにて北側に4m水平移動させた後、中央付近を軸にして反時計回りに5.2度旋回させた(写真4~6)。
“橋桁移動旋回工法”は、発想そのものが斬新であり、3次元風向風速計をもとに風況解析も実施するなど、綿密な工事シミュレーションを繰り返し、地上40mにて見事に成功させている(写真7)。これにより、水平移動と旋回移動、橋の連結工事と軌道工事などを含めて、わずか26日の運休期間にて完了した。