(国際ジャーナリスト・木村正人)
ミサイル攻撃で17~77歳の12人が死亡、40人が重軽傷
[ウクライナ中部クリヴィー・リフ発]ウクライナ軍の反攻が激しさを増す中、ロシア軍は6月13日未明、カスピ海方面上空の戦略爆撃機Tu-95から空対地巡航ミサイルKh-101/Kh-555を14発発射するとともに、南方面から4機のイラン製カミカゼドローン(自爆型無人航空機)シャヘド136/131でウクライナを攻撃した。
ミサイル10発とドローン1機がウクライナ軍に撃墜されたものの、残ったミサイルのうち1発がクリヴィー・リフの5階建て集合住宅を直撃、燃え盛る炎の中から、生後3カ月の赤ちゃんを含む12人が救助された。他のミサイルは運送会社や倉庫を直撃。住宅や倉庫で17歳から77歳までの12人が亡くなり、40人が重軽傷を負った。このうち9人が重篤だ。
この攻撃で9階建て7棟、4階建て8棟、5階建て55棟など計70棟以上、学校3棟、教育大学と職業学校の建物3棟、寮1棟が損壊した。約400戸の集合住宅が被害を受け、集合住宅や玄関の窓1300枚以上が粉砕された。建物10棟の屋根が破損した。クリヴィー・リフはウォロディミル・ゼレンスキー大統領誕生の地で、現在も両親が暮らしている。
ドニプロ川左岸がロシア軍に占領されている南部ヘルソン州と接するクリヴィー・リフ(昨年の人口約60万人)は比較的安全なため8万人以上の国内避難民を受け入れている。昨年5月以降、43万5900食以上を支給。カホフカ水力発電所ダム爆破で水位が7メートル以上も下がったため、節水を呼びかけている。何とかしないと市の70%に水を供給できなくなる。