(英エコノミスト誌 2023年5月27日号)

ハンガリーのオルバン・ビクトル首相(5月4日ブタペストで、写真:AP/アフロ)

反米主義がオルバン・ビクトルと習近平を結びつけている。

 欧州連合(EU)における中国懐疑論の大合唱に慣れきった耳には、ハンガリーの外交官の言葉遣いが非常に印象的に響く。

 EU高官の間では、中国との関係の「デリスキング(リスク低減)」を進め、中国を「体制上のライバル」として扱う必要があるとの会話が普通だが、彼らは違う。

 ハンガリーのシーヤールトー・ペーテル外相は5月15日、訪問先の北京で、ハンガリーと中国の協力は「リスクではなく機会」をもたらすと語った。

 中国の外交担当トップである王毅氏は同外相に対し、両国関係は「史上最良の時期」に入ったと述べた。

 中国の外交政策は欧州で厳しい評価を受けている。

 ウクライナでの戦争から新疆ウイグルでの人権侵害、台湾周辺での武力の誇示に至るさまざまな問題についての見解の相違が、それに拍車をかけている。

 そんな状況下ゆえに、中国(およびロシア)に対するハンガリーの根強い友情は際立つ。

揺るがないハンガリーの友情

 ハンガリーは、西側がウクライナを支援しても欧州の犠牲によって紛争を激化させるだけだという中国の見解に同調している。

 またオルバン・ビクトル首相は5月23日にブルームバーグの取材で、総額5億4000万ドルに上るウクライナに対するEUの資金援助パッケージを阻止していることを擁護し、「この戦争に勝ち目はない」と言った。

 東欧には、例えばポーランドなど、ハンガリーと同様に中国との密なつながりを好む国があった。

 だが、ウクライナ戦争の間に中国がロシアを支持したことや、中国を政治的に受け入れても思ったほどの経済的な見返りが得られていないとの理解から、そうした国々の中国熱は冷めてきている。

 中国は欧州との友情は有用だと見ている。