ハルキ島で町といえるのは、フェリーが発着する東側に1つだけです。島の人口は年々減って、いまは300人ほど。夏のバカンス・シーズンだけは観光客でにぎわいます。

 きょうはもうお客さんは来ないと見ると、港のカフェは閉店してしまいます。猫のお客さんがのんびりとたたずんでいました。

 洗濯バサミを虫に見立て、狩りの真似を楽しんでいた猫。カメラをかまえたとたん、こちらを向いて姿勢を正してしまいました。

 ところで、ハルキ島という名前から、作家の村上春樹を連想しませんか? 実は彼もハルキ島に行っているのです。

 35年ほど前に書かれたとても厚い旅行記『遠い太鼓』(村上春樹著、講談社)の中に「ハルキ島へ」という一節があります。それを読んだ村上春樹ファンの友人から「ギリシャにはハルキ島という島があるんですって。どんな島か、写真を撮ってきてほしい」と言われたことがきっかけで、ハルキ島を訪ねることにしたのです。

 港からはなだらかな上り坂が続いていて、急斜面の階段を上りきると、美しい教会の塔と町並みが見えました。

 旅行者に部屋を貸している家には、犬がいました。犬つきのペンションも楽しそうです。

 次回は、同じドデカネス諸島のシミ島に行きます。
そっくりなキジトラ猫がもう一匹、かと思ったらもう一匹、君たち3姉妹?

 以前にはドデカネス諸島のコス島とカリムノス島の猫もご紹介しています。
ギリシャで優雅に行き倒れている愛らしい猫たち
おばあさんの飼い猫がくれた感動の「猫の恩返し」

※ハルキ島への行き方
 ドデカネス諸島最大の島、ロドス島(ロードス島)には国際空港があります。東京(羽田または成田空港)からは、ヘルシンキ(フィンランド)、フランクフルト、ミュンヘン(ドイツ)、ウィーン(オーストリア)などを経由して、1回の乗り換えで行けます。

 ハルキ島へは、ロドス島から高速フェリー(ドデカニソス・シーウェイズ)で約1時間10分です。