4月28日、ベラルーシとの国境付近で演習に参加するウクライナの兵士(写真:ロイター/アフロ)

(国際ジャーナリスト・木村正人)

「約束した戦闘車両の98%以上は提供済み」

[ウクライナ・キーウ発]北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長は4月27日の記者会見で「米国が主導するコンタクトグループを通じ、NATO同盟国とパートナーはウクライナに前例のない規模の支援を提供してきた。ウクライナに約束した戦闘車両の98%以上はすでに提供済みだ」と述べた。

 NATO同盟国はウクライナに1550両以上の装甲車、230両の戦車、膨大な量の弾薬、その他装備品を供与し、合わせて9個以上の新しい装甲旅団(1旅団4000人)を訓練し、装備を終了させた。7月にリトアニアの首都ビリニュスで開かれる首脳会議では複数年計画でウクライナ支援を強化することで合意を目指している。

 ストルテンベルグ事務総長は「ウクライナがより多くの領土を奪還できるよう必要な軍事的支援と能力を提供している。しかしロシアを見くびってはいけない。ロシア軍は質の不足を量で補おうとしている。さらに多くの動員を続けている。死傷率が非常に高くても何千、何万の部隊を送り込むことを厭わない様子を目の当たりにしてきた」と言う。

「首脳会議では、ウクライナが旧ソ連時代の標準、装備ドクトリンからNATOのそれに移行し、NATOとの完全な相互運用性を確保する方法を協議する。ウラジーミル・プーチン露大統領に戦場では勝てないという明確なメッセージを送るためには、ウクライナは必要な軍事力を持つ必要がある。交渉のテーブルで起こることは戦場での強さと表裏一体だ」