「一度も酔ったことはない」との伝説

 権力の座を保つために、自己管理は徹底している。スポーツ万能で柔道は黒帯の腕前。日本料理が大好き。そして、酒を飲まないことで知られる。全くの下戸ではないが、付き合いでコニャックを小さなグラスで一杯、二杯飲むだけ。これまで一度も酔っ払ったことがないとも言われる。

もちろんプーチン大統領は全く酒を口にしない、というわけではない。2001年6月、上海を訪問し江沢民主席とグラスを片手に話し込むプーチン大統領(写真:ロイター/アフロ)

 あまりにもできすぎたプロフィールに映るが、自己管理力が高くなければ権力を維持できない時代なのだろう。

 2019年6月28日に大阪で開かれた、20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)の首脳夕食会の光景が象徴的だ。

 28日に行われた20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)の首脳夕食会で、ロシアのプーチン大統領がお茶の入ったタンブラーを持ち込んだことが同国メディアで話題になっている。ペスコフ大統領報道官によると、プーチン氏が愛用しているもので常に持ち歩いているという。

2019年6月のG20大阪サミットに参加したプーチン大統領。テーブルの上に愛用の白いタンブラーが置いてあるのが見える(写真:代表撮影/REX/アフロ)

 夕食会では、飲み物として山梨県産や兵庫県産のワイン、福島県産の日本酒のほか緑茶や抹茶などが用意されたが、ロシア通信はプーチン氏が「自分の白いタンブラーに入ったお茶を飲んだのが映像から分かる」と報じた。