言論封殺に使われたZoom

 米情報機関関係者が言う。

「テレビ会議ができるアプリを提供しているZoomの幹部で、中国政府との窓口役をになっていた人物が、中国政府の指示を受けて天安門事件がらみのZoomのミーティングを遮断していたことが判明、22年12月にアメリカで逮捕されている」

 Zoomを提供しているZoomビデオコミュニケーションズ社は、中国出身で、現在はアメリカ国籍を取得している袁征(エリック・ヤン)が創業した企業だ。

 Zoomは世界中で利用されるようになっているが、中国政府による干渉を懸念する声は以前から上がっていた。実際、習近平政権は、Zoomに触手を伸ばし、中国共産党に反発する中国人を抑え込もうとしている。そこまでしてでも党と政府に対する批判を封じ込め、民衆が行動を起こそうという“芽”の段階で摘み取ってしまおうという強権的思想の表れだ。

 Zoomによる情報漏洩のリスクを回避するため、台湾政府や米情報機関、オーストラリア軍、ドイツ外務省などではZoomの使用が禁止されている。さらに、財閥系企業など、日本でもZoomの使用を禁止にしているところも少なくない。

 ここまでいろいろバレてしまうと、もはや言い訳のしようもないのだが、中国政府は悪びれるそぶりも見せず、事実を否定している。国外における「秘密警察」の活動を停止するつもりなどさらさらないのだろう。