中国の気球がアメリカ上空で発見され、南部サウスカロライナ州の沖合の上空で撃墜されたのは、今年2月4日のことだった。
この一件以降、アメリカ上空では次々と3つの気球が確認された。いずれも米戦闘機が出動して撃墜している。これを受けて、中国政府は気球が民間の気候観測用だったと主張したが、気球を運用していた民間企業の名前などは明らかにしなかった。
そこでバイデン政権は、気球の製造に関与したとして、「中国電子科技集団」の研究機関など国営の防衛関連基調や研究組織など6企業・団体に対し禁輸措置などの制裁を科すに至った。
あの騒動からおよそ2カ月が経過した。結局、あの気球の「狙い」は何だったのか。
NBCが放った“スクープ”
米軍は2月17日までに撃墜した気球のすべての残骸を回収しているが、これまでの調査で、最初に撃墜された気球が人民解放軍の偵察気球だったと結論付けている。詳細については引き続き調査しているという。
現在までにわかっているのは、撃墜した気球には、通信を傍受できる複数のアンテナが搭載され、情報収集のためのセンサーを作動させるための太陽光パネルも備えられていたことだ。