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(譚 璐美:作家)
防衛省は4月6日、中国海軍の空母「山東」が波照間島の南およそ300kmの海域を東に向かって太平洋上を航行しているのを確認した、と発表した。
「山東」は「遼寧」に続いて中国が建造した2隻目の空母で(註:遼寧はウクライナから購入した「ヴァリャーグ」を建造再開して完成させたもの。山東は中国初の国産空母)、公開された写真には、多数の戦闘機が甲板に停まっているのが見える。
目下、「山東」は海上試運転中だと目されているが、実地訓練の重要項目の中に、戦闘機の離着艦訓練があることは確実だろう。
というのも、最先端の戦闘機を操作するパイロットの技術が未だ立ち遅れており、中国はなりふり構わず、パイロットの技術向上に余念がないからだ。
ところがその技術向上に、欧米の退役軍人が一役買っている実態が浮かび上がりつつある。
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「ユーロファイター・タイフーン」や「ジャギュア」の経験者まで
昨年10月、イギリス国防省は異例の発表を行い、「イギリスの複数の元空軍パイロットが中国に高額で勧誘され、中国軍の訓練を行っているとみられる」として、中国軍を利するだけでなく、戦闘機などの先端技術や軍事情報が漏れることを懸念して、欧米各国に広く警戒を呼びかけた。
同発表によれば、目下、イギリスの元空軍パイロット約30名が中国で人民解放軍のパイロットの飛行訓練を行っており、多くは50歳頃にリクルートされ、最近イギリス空軍を退役したばかりで、中には新鋭主力戦闘機「ユーロファイター・タイフーン」や超音速軽攻撃機「ジャギュア」などの経験者もいる。平均で年俸約23万ポンド(約4030万円)という高額で勧誘された。