空襲を受けるラバウル航空隊(資料写真、USAAF, Public domain, via Wikimedia Commons)

(花園 祐:中国・上海在住ジャーナリスト)

 第2次大戦の終戦後、日本の軍人の中には戦勝国から戦犯として訴追され、日本への帰国を果たせなかった人も多くいました。これらの戦犯の中には、上官の命令で戦争犯罪に無理やり加担させられただけで、実際には冤罪だった者も少なくなかったと言われます。

 一方、実際に命令を下した士官の中には、戦犯訴追を免れるため、その責任を部下に擦(なす)り付けた者も多くいたされます。

 また実際に戦争を主導した軍の上層部に至っては、有罪判決を受けながらも頑なに責任逃れに終始し、犠牲となった人たちを顧みることなく天寿を全うした人物も見られます。

 そうした無責任な軍幹部らが多かった一方、自らの責任を深く見つめ、無辜(むこ)の部下たちを救うために奔走し続けた軍人も存在しました。