大統領時代のトランプ氏(2020年、写真:ロイター/アフロ)

「これは私がもらったもの」と主張

 ドナルド・トランプ米45代大統領は、脱税、選挙違反、国家機密文書秘匿と、「掟破り」はお手のもの、それを「前大統領」という「特権」を盾に司直の手をこれまで逃れてきた。

 ところがここにきて、3月21日に逮捕される公算が強まっている。

 不倫関係にあったとされるポルノ女優への口止め料支払いを選挙資金から流用したというケチな罪状のようだ。

 これから続く数々の訴追の始まり。大統領経験者が逮捕されるのは後にも先にもこれが初めてだ。

 そのトランプ氏にまたまた新たな法律違反行為が急浮上した。

 本来なら大統領在任中、外国首脳からもらった20ドル以上の豪華な品々は米国政府(国立公文書館=NARA)に返還せねばならない。

 それらは米国民に寄贈された品物であって、大統領やその家族がもらったものではないからだ。

 もっとも、トランプ氏は在任中から側近に「これは私がもらったものだ」と言っていたという。

 連邦法には「報酬条項規定」が定められている。歴代大統領で同法違反を犯した者はトランプ氏以外いない。これは大統領夫人はじめ息子娘すべてに適用される。

 ところが、トランプ氏の家族はそれらを「ねこばば」していたことが、米下院監視・政府改革委員会が3月17日、公表した中間報告書で明らかになった。

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 行方が分からなくなっている約100点の寄贈品の中に、安倍晋三首相(当時)から贈られた460ドル(約6万円)のゴルフのパターと3040ドル(約40万円)のドライバーが入っているとなると、われわれ日本人も気になってくる。

 トランプ氏が大統領就任前の2020年11月だが、安倍氏はニューヨークのトランプ・オフイスを訪れ、その時、3755ドル(約49万円)相当のゴールドのパターやドライバー*1を寄贈していた。

(これらはトランプ氏が大統領就任前だから米国政府に返還する義務はない)

*1=これは、本間ゴルフが2020年に発売した「BERESS-05」で安倍氏が出発前に外務省職員が中央区八重洲の本間ゴルフ店で購入していたことが分かっている。

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