以上から、サムスン電子はDRAMもNANDもシェア1位であり、SKハイニックスは、DRAMが2位、NANDが3位であることが分かる。それぞれのシェアが高いということは、それぞれの市場が急降下した影響を大きく受けるということでもある。
サムスン電子とSKハイニックスの業績
図7に、サムスン電子の半導体事業の売上高と営業利益を示す。2022年Q2に28.4兆ウォンを記録した売上高は、同年Q4に20.1兆ウォンに減少する。そして、営業利益がたったの2700億ウォンに急降下する。サムスン電子は、DRAMとNANDの他にファウンドリ事業がある。恐らく、メモリは赤字だが、ファウンドリが利益を出したので、全体として辛うじて黒字になったのだろう。

出所:サムスン電子の決算報告を基に筆者作成
もう1社のSKハイニックスは、2022年Q2に13.8兆ウォンの売上高を記録したが、同年Q4に7.7兆オンに減少する。そして、営業利益は赤字のマイナス1.7兆ウォンに陥った(図8)。

出所:SKハイニックスの決算報告を基に筆者作成
このように、サムスン電子もSKハイニックスも、2022年後半に業績が低迷した。世界のメモリ市場が急降下しているのだから、当然と言えば当然である。このコロナ特需終焉による大不況は、2023年前半にもっとひどくなると予測される。回復するとしても、2023年後半か、2024年以降になるだろう。
そして、この半導体不況に加えて、米国の半導体政策が韓国メーカーをさらなる窮地に追い込むことになる。