(国際ジャーナリスト・木村正人)
「ウクライナのために戦闘機を、自由のための翼を」
[ロンドン]ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が8日、英国をサプライズ訪問し、ロンドンの首相官邸でリシ・スナク英首相と会談した。そのあと英議会のウエストミンスターホールで演説し、こう訴えた。
「シンプルだが最も重要な言葉で皆さんと世界に訴えたい。ウクライナのために戦闘機を、自由のための翼を」
チャールズ英国王にも謁見したゼレンスキー氏は演説で「われわれは生涯で最も重要な勝利に向かって英国とともに行進している。戦争という概念そのものに対する勝利になる。クレムリンがそうであるように、いかなる侵略者も敗北することを知るだろう。英国の国王は空軍のパイロットだった。ウクライナでは空軍のパイロットは皆、国王なのだ」と語った。
「私はわが空軍を誇りに思っており、彼らから英国にプレゼントを持参した。本物のウクライナ空軍パイロットのヘルメットだ。彼は最も成功したエースの1人であり、われわれの国王の一人だ。ヘルメットに書かれた文字はこうだ。『守るべき翼を授けよ』。このシンボルがわれわれの次なる連合、航空機の連合に役立つと信じている」
携行式対戦車ミサイルNLAWとジャベリン、近距離防空ミサイルのスターストリーク、空対地ブリムストーンミサイル、中高度防空ミサイルシステムNASAMS用の中距離空対空ミサイルAIM-120 AMRAAM、多連装ロケットシステム(MLRS)M270に続いて14両の主力戦車チャレンジャー2を供与する英国だが、こと戦闘機の供与に関しては、米国と同様、慎重だった。