あの当時の『週刊朝日』の担当デスクからも、雑誌の実売が30万部を切ると運営が苦しくなる、と聞かされていたが、同誌が公表しているところによると2022年12月の平均発行部数は7万4125部とされる。実売はそれよりも少ない。もっとも売れている『週刊文春』でも発行部数は50万部を切っている。同じ新聞社系の老舗『サンデー毎日』は4万部を割り込み、もはや全国のコンビニの店舗数より少ない。
人口動態の変化に加えて、ネットメディアの台頭にスマートフォンの普及が大きな影響を与えていることは疑いの余地はない。
半値になっていた原稿料
実は、数年前に再び『週刊朝日』に記事を寄稿したことがある。編集部は一変し、編集長も良識の通じる人物だった。そこでも苦境は耳にしていたが、その時になにより驚かされたのは、原稿料が以前の半分になっていたことだった。もはや末期的であることを痛感せずにはいられなかった。
驕れる者も久しからず――。時代は確実に変化している。その当時に当たり前だったことが、いまでは認められないことも多々ある。いまさらながらの告白も、ただの恨み節に終わるかも知れないが、それでもそんな言葉が脳裏を過ぎっては、私にとってひとつの慰みになっている。