韓国・慶州市にある仏教遺跡「石窟庵」。ソル・ミンソク氏は韓国のテレビ番組で、日本に傷つけられたという虚偽の解説をした。(出所:Pixabay)

(藤原 修平:在韓ジャーナリスト)

 あの「反日」歴史教育者の本が平積みになっているではないか!

 今年(2022年)、韓国で驚いた出来事の1つは、ソウル市内にある「教保(キョボ)文庫」という大手書店に立ち寄ったところ、中高生の歴史科目のコーナーでこの人物の著書がどっさりと積み上げられていたことだ。なんと、“復活”していたのだ。

 その著者とは、ソル・ミンソク氏。2年ほど前、本コラム「論文盗用者を擁護、韓国社会の困った“快感のツボ”」で紹介したことがある人物だ。

 当時、テレビでこの人に韓国史、世界史を語らせたら、必ずと言っていいほど視聴率がアップしたという。それこそテレビ局から引っ張りだこで、多い時には週に2本のレギュラー番組を持っていた。

 どの番組も、多くの人がテレビを見る時間帯での放送だったこともあり、教養番組をよく視聴する家であれば、ソル氏の顔を見ない週はなかっただろう。その頃の韓国では、ちょうど日本不買運動が宴もたけなわで、そうした社会風潮も彼の人気を後押ししたと思われる。