そういいながら、わたしはこの「孤独のグルメ」をたぶん見るのだろう。だが、それも新たなイライラを見つけるために見ているようなところがある。
「紅白」は高橋圭三や宮田輝の時代のもの
で、NHKの紅白歌合戦である。もちろん今年もやる。だがこれがもうわけのわからんものになり果てた。20年ほど前から、紅白が変だ、と指摘されていたが、わたしは腐っても紅白だ、と思って、チャンネルを紅白主体にしていた。
しかしいまやテレビを見る主体は、じいさんばあさんである。かれらしか見ないのに、アホなNHKは、若者に媚びを売って年寄りを排除し、結局どっちつかずになってしまった。これはふだんの番組作りにも反映されている。
紅白の相場はその年ヒットした歌と歌手の総集編だった。それがいつごろからか、それまで1回も聞いたことがない歌を紅白で初めて歌う歌手がでてきた(そもそも全国民的ヒット曲がなくなった)。ところがいまやそれどころではない。
今回もそうだが、もう数年前から初めて聞く歌ではなく、見たことも聞いたこともない歌手やグループが出場するようになったのである。これ意味あるのか。
紅組では、IVE、ウタ、Aimer、milet、緑黄色社会、LE SSERAFIMの個人やグループが初耳である。なにものかまったく知らない。名前は聞いたことがあるが、歌は聞いたことがないというのが、あいみょん、Superfly、SEKAI NO OWARI、TWICE、NiziU、乃木坂46、日向坂46である。
白組の初耳組は、Saucy Dog、JO1、Vaundy、BE:FIRST、なにわ男子、山内惠介である。歌は聞いたことがないのが、Official髭男dism、関ジャニ∞、King & Prince、King Gnu、純烈、SixTONES、Snow Man、三浦大知、三山ひろし、である。
歌も名前も知らない出場者が7割弱もいる。いったいかれらはなにがよくて選ばれたのか。まあたかが紅白歌合戦だから、どう選考されようとどうでもいいのだが、もういい加減、こんな時代錯誤の番組やめてしまえ、と思う。この時代に「歌合戦」ですよ。
ところが担当者にその勇気がない。責任をとりたくもないのだろう。かわりになにをすればいいのかもわからない。この番組は高橋圭三や宮田輝の時代のものではないか。かれらの退場と共に、とっくの昔にこの番組は終わっていたのだ。
結局、本命はなにもない。文句ばかりいっているが、わたしはわたしでテレビを消す勇気がないのである。結局文句をいいながら、あちこちチャンネルを変えまくることになるのだろう。
本音をいえば、ほんとうに見たいのは「行く年くる年」である。もう7時半から1時まで、ぶっ通しでやってくれていいよ。若いころは、暗いなあ、と嫌いだったが、いまでは一番落ち着く。こんな番組を何時間やっても、だれも見ないだろうと思われている。しかしわたしは見るよ。
なんで正月早々、芸人たちの番組ばかりを見せられるのだ。普通のひとの静かな暮らしと日本の美しい風景を見せてもらいたい。蛮勇をふるってくれないかNHK。年に1回だ。視聴率なんか気にするんじゃない。