正月が待ち遠しかったのは小学校までだったか。実際、正月になってみるとたいして楽しくはなかったのだが、お年玉をもらうのはうれしかった。 わくわくは前日から始まっていた。紅白歌合戦があったからである。わたし(の家族)の場合、大晦日の最大の楽しみは、もう無条件に紅白歌合戦を見ることだった。 これまた実際に始まってみれば期待したほどでもなかったのだが、父親なんかは新聞の紅白の対戦表に、「こりゃ白の勝ちだな」などと独り言をいいながら、〇をつけていたものだ。時折わたしに「おまえはどっちか?」と訊いたりして、わたしを困惑させた。 なんと無邪気で単純だったことか。いま思い起こせば、掘りごたつに親子6人が入って
なにを見るかテレビの大晦日特番、だが本音を言えば一番見たいのは…
「テレビの魔法」を刷り込まれたじいさんばあさんだけが大晦日もテレビを見る
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