富士山を望む木更津沖堤防・釣行風景(写真はすべて筆者撮影)

複数釣りでのタックルの共通化

 前回(「晩秋の釣りはアイデアと臨機応変さで楽しみ倍加」https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/72896)では、1回の釣行で複数の釣りを実践する手法を紹介しました。

 陸釣りでこういった釣り方をする場合のお困り事として、携行する道具が増えることや狙いを変えていくときの手間が挙げられます。

 特にタックルを作り直すのはなかなかの手間で、私もつい面倒が先に立って切替えのタイミングを逸した挙句、狙うはずの魚種が短時間回ってきて、隣の釣行者の嬉しそうな「釣果祭り」の傍らで、「後の祭り」に泣いたことが何度もあります。

 今回は、こういった釣行時にかさばる道具の代表例として「竿」を取り上げ、竿の共通利用による「荷物の軽減」や「手間の軽減」などのテーマをもとに、準備の事例や最近の釣況などを紹介できればと思います。

共通利用の視点

 最近のタックルは低コストで性能も良く、特に竿などは基本的な特性が合えば、共通で使えてしまうものがいくつもあります。

 ロッドには主に素材、長さ、太さ、固さ、調子などの組み合わせで構成されおり、装着するリールのラインの太さや、仕掛けに付けられる錘やルアーの重さに関して、一定の許容範囲を持っています。

 これを利用して、釣行での竿の共通化を図っていきます。

 例えば堅めの8~10ft(フィート)のシーバスロッドは、軽くて穂先の感度が繊細なため、8号から15号程度の錘付き天秤と組み合わせて、100メートルほど飛ばすちょい投げのキス釣りにも向いています。

 ルアー釣りと組み合わせることで、持って行く竿の共通化を図ることが可能になります。

 一見、邪道で面倒なイメージもありますが、スペックが合えば組み合わせに悩むのは最初だけで、実釣での結果を踏まえて最適化を繰り返してみると、進化型の楽しみとなります。

東雲(しののめ)の東京湾 釣行風景