初夏を思わせる「春アジ」釣り・堤防の風景

陸釣りの春アジ

 春も本番を迎え、関東の陸釣り地域では今年もイワシやアジ、コノシロの釣果が聞こえ始め、沿岸の海も少し賑やかになってきました。

 特に海水温度の上昇とともに、産卵期に入った沖アジの捕食活動も盛んになって沿岸にまで活動領域を広げてくると、陸釣りでも潮通しの良い海釣り施設や一部の釣行可能な堤防・護岸などで、型の良いアジに出会えるチャンスが巡ってきます。

 一方で、一日中「入れ食い」に期待できる夏のアジ釣りとは異なり、時合い(釣れ盛る時間帯)も短く、「釣れる原理」を理解したひと手間が、釣果を大きく分けるのもこの時期の特徴です。

 今回は、何かと気難しい陸釣りの「春アジ」との出会いを、私が探求してやまないサビキ釣りを用いて実践・チェックポイントなどとともにご紹介できればと思います。

 まず春アジに出会う可能性について。

 こちらは過去の回遊実績の情報に注目します。海釣り施設など潮通しがよく、例年や最近の情報があるところを候補にしながら、施設や周辺の釣果情報などから回遊の可能性を推察して開拓していきます。

 皆さんが通う釣り場でも、過去情報を振り返ってチェックしてみることも有効です。

アジ釣りに欠かせないサビキ釣りの機能

 ここからは具体的な釣法などに関するお話です。

 私は型の良い春アジでもサビキを使います。比較的取り扱いが簡単で手返しが格段に良いためです。

 一方で、潮の流れがある場合、コマセと仕掛けの「同調力」に弱点があります。このカバーについては、後述いたします。

 このサビキ釣りは、あまりにもメジャーで、ネット上にもたくさん紹介されています。

 小さなコマセカゴを仕掛けの上か下に付けて、コマセを振りながら魚を寄せて縦に多数並んだ針のどこかの針掛かりを狙うもので、基本的にはミャク釣り形式で仕掛けを中心に「定点+若干縦方向」魚を寄せることが前提の釣法です。