12月15日、北京市内の地域医療クリニックで診察待ちをする市民(写真:AP/アフロ)

 世界最先端の5Gスマートシティを建設中のはずの中国の大都市が、ゴーストタウンになり果てている――。

 習近平指導部は12月7日、若者たちのデモ「白紙運動」などを受けて、ついにガチガチの「ゼロコロナ政策」(動態清零)を解除した。そうしたら起こったのは、経済の「V字回復」ではなくて、新たなコロナパニックだった。

ネット通販の商品も感染拡大で配達不能に

 いまや中国の各都市で、外出しているのは、発熱外来や薬局に行く人ばかり。かつ院内感染によって医療崩壊が起こり、薬不足も蔓延している。

 倉庫には、配達が放棄されたネット通販の商品が、うずたかく積まれている。もはや配達員も見当たらなくなってしまった。海外メディアは、夥しい数の感染者と、少なからぬ重傷者、果ては死者数を報じ始めている。

 これは人類が、未知なる細菌に対して「新型」コロナウイルスと呼んでいた2020年初頭のことではない。あれから3年近くも経った2022年末の中国の状況だ。しかも、「ゴーストタウン現象」は、一部の都市だけでなく、中国全土に広がっている……。

 そんな中、首都・北京では、人々が集結している場所があった。そこでは、12月15日と16日、毎年年末の恒例行事である「中央経済工作会議」が開かれたのだ。2022年の中国経済を総括し、2023年の中国経済の指針を決める重要会議だ。