(写真:ZUMA Press/アフロ)

 SHEIN(シーイン)という中国のファッションブランドをご存じだろうか? 漢字では、「希音」と書く。会社の正式名称は、南京希音電子商務有限公司。

 このブランドが産声を上げて、まだ約10年にすぎないが、すでに世界の150カ国・地域以上で展開している。非上場企業だが、中国メディアの報道によれば、今年上半期の売上高は、前年比5割増しの160億ドル(約2兆2000億円)。ユニクロの今年8月期決算が、年間売上高2兆3011億円だから、早くもユニクロの2倍の規模に達した。

実店舗はなし、購入はすべてアプリを通じて

 SHEINは、世界のファッション業界に、様々な「革命」を起こしている。最大の革命は、実店舗を持たないことだ。スマホでアプリをダウンロードして、電子決済で買うと、商品は自宅に送られてくる。2000円以上買えば、送料無料だ。

 ダウンロード数は、すでに世界で2億近い。ユニクロの服ももちろん、スマホから買うことはできるが、「実店舗のないユニクロ」というのは想像できない。

 SHEINは、これまで「実店舗無視」だったが、「日本は実店舗の代表格であるコンビニの聖地」ということもあり、10月22日、大阪・心斎橋に、「期間限定の実店舗」をオープンさせた。「ユニクロ跡地」というところが象徴的だが、オープン当日には、4000人以上もの行列ができた。

今月13日に東京・原宿にオープンした世界初の常設店舗(筆者撮影)