連載:少子化ニッポンに必要な本物の「性」の知識
性欲は、人間にとって避けることのできない強い欲望であり、世の中の大半は「色恋沙汰」と「人生苦」とで成り立っている。
色恋が人の生活の中に占める割合が大きいために、恋人に捨てられたり、あるいは恋人を取られたりした時の恨みは非常に根が深く、いつまでも残るもので「愛多ければ憎しみ至る」となりがちである。
1987年9月公開の映画『危険な情事』は、マイケル・ダグラス演じる夫・ダンの出来心から一夜の情事を楽しんだことにより巻き起こる男女の深刻な愛のもつれを巧みに描写し、第60回アカデミー賞で6部門にノミネートされた。
ニューヨークで暮らす弁護士・ダンは妻・ベスと娘のエレンと穏やかで幸せな日々を過ごしていた。
ある金曜日、ダンが顧問を務めるROBBINS & HART出版社のパーティに出席した際、ダンは新人の女性編集者のアレックスと出逢う。
その翌日、ダンはROBBINS & HART出版社の訴訟の相談に乗るため会議に出向きアレックスと再会。ダンは出来心からアレックスと一夜を共にする。
男は一夜だけの情事のつもりが、女にとってはそうではなかった。
それが運命の出会いと確信したアレックスは、彼を独占したいがためにダンと妻・ベスに執拗につきまとい、やがて殺意を抱く。
女の常軌を逸した不倫相手・アレックスを演じたグレン・クローズの鬼気迫る熱演が話題となった「不倫は人生の破綻をもたらす」ことを示す教訓のような映画である。