(湯之上 隆:技術経営コンサルタント、微細加工研究所所長)
半導体のバカの壁に直面しているクルマメーカー
2022年11月4日に、本コラムに寄稿した記事『クルマ産業は半導体の「バカの壁」を超えられるか?』(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/72522)の中で、トヨタ自動車をはじめとする多くのクルマメーカーが「半導体のバカの壁」に直面していることを論じた。
そして、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の「CASE」と呼ばれる100年に一度の大変革期を迎えているクルマ産業においては、半導体のバカの壁を乗り越えられないクルマメーカーは淘汰されることを警告した。
ところが、この半導体のバカの壁を乗り越えたクルマメーカーが出現した。それは、電気自動車(EV)で先行している米テスラ(Tesla)である。
2003年7月1日に設立されたテスラは、起業家で、宇宙ロケットの会社、スペースXのCEOであるイーロン・マスク氏が何度も倒産に危機に陥りながら艱難辛苦を乗り越え、2020年には株式時価総額でトヨタ自動車を軽く抜き去り、2021年には93.6万台のEVを販売して断トツのトップに立った(図1)。
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