(花園 祐:中国・上海在住ジャーナリスト)
今年(2022年)に入ってから円安の勢いが止まりません。一時は1ドル当たり150円を突破し、日本国内では食糧やエネルギーをはじめ各所で値上げラッシュが続いています。
一方、筆者を含む海外で暮らす駐在員にとっては、今回の円安は大きな追い風となっています。新型コロナウイルス感染症の流行に伴う渡航規制により、日本への渡航はままならないものの、日本の家族へ送金している駐在員など多くの人が円安の恩恵を受けています。
こうした状況からか、日本国内では海外勤務の給与面でのメリットを強調し、海外への「出稼ぎ」を推奨する声も聞かれるようになってきました。
ただ、海外勤務においては、円安による追い風もあれば逆風ももちろん存在します。そこで今回は筆者の実体験とともに、為替に翻弄される海外駐在員の所得事情について紹介したいと思います。