「これはまさしく、『習近平暴落』だ。730万香港市民のため息と、怨嗟(えんさ)の表れだ!」
こう語るのは、ある香港の投資会社社長だ。
第20回中国共産党大会が閉幕した週明けの10月24日月曜日、香港株式市場は、ほぼ全面安の展開を見せた。
再び飛び交い始めた「香港は死んだ」の言葉
21日金曜日の恒生(ハンセン)指数の終値は、1万6219ポイント。それが22日に共産党大会が閉幕し、23日に「1中全会」(中国共産党第20期中央委員会第1回全体会議)が開かれたことを受けて、24日の香港市場は、香港人の言う「断崖式跳水」(断崖から海に飛び込む)状態となった。
午後3時には、7%近く値を下げて、1万5115ポイントまで下がった。午後4時の終値は、1万5199ポイントと、金曜日の終値に比べて、6.3%も値を下げて取引を終えたのだった。
香港の投資会社社長が続ける。
「市場が期待していたのは、『改革開放の総設計師』だった鄧小平の後継者である胡錦濤前総書記、李克強首相、汪洋政協主席、それに胡春華副首相だった。ところが、胡錦濤は人民大会堂の議場から引っ張り出され、李克強と汪洋は完全引退に追い込まれた。胡春華に至っては、中央政治局委員(トップ25、もしくはトップ24)から中央委員(トップ205)へ降格となった。
汪洋が広東省党委書記だった時代(2007年~2012年)と、胡春華が広東省党委書記だった時代(2012年~2017年)は、『広東省の黄金期』と言われた。逆に『広東省の暗黒時代』と言われるのが、いまの李希広東省党委書記が治める時期(2017年~現在)だ。
ところが李希は今回、常務委員(序列7位)に昇進を果たした。『それはないだろう』というのが、1億2000万広東省市民と740万香港市民の真意だ。もうここ数年で言い尽くした感があるが、『香港は死んだ』という言葉が、再び飛び交っている」