2013年に中国上海で開かれた大規模婚活イベント(写真:アフロ)

(加藤勇樹:中国広東省在住コンサルタント)

 中国の婚姻件数は2013年から2022年の8年間で4割減と急激に減少しました。その背景にあるものはなにか、そのような環境の中で人々はどのように婚活を行っているか。中国における最新の結婚事情を2回に分けてお伝えしています。

 前編では減少の要因の一つとして、高額な「彩礼」(日本での結納金に当たる)があることをご紹介しました。
8年で4割減!人口減少問題より深刻な中国の婚姻事情
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/72289

 この後編では、実際に婚活イベントに参加した体験をお話しします。

6割以上が「婚活イベントに参加経験あり」

 中国語の「相亲」(相親)は、日本における「お見合い」に相当します。最近中国では、婚活イベントを利用する人が増えていて、これも「相親」と呼ばれています。

 若者の流行や動向を調査する「后浪研究所」(https://36kr.com/motif/1756302767423108)によると、中国の場合6割以上がすでに1回以上婚活イベントに参加したことがあるようです(「7成年轻人接受相亲,5成女生25岁前开始着急|2022年轻人相亲报告」、2022年7月30日、https://36kr.com/p/1847386422316168)。21~25歳とまだ若いと言える年齢層でも4割以上が婚活イベントに参加した経験があります。

 一方日本では婚活イベントに参加した経験のある人は1割強と、まだまだ少数派です(「婚活とは!?婚活パーティーの成功率から結婚率まで徹底調査」、2021年10月7日、https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000059676.html)。

婚活イベントへの参加の経験を日中で比較

 中国の中学や高校では、「学業に支障をきたす」として恋愛を厳しく制限することが一般的です。このため、恋愛を経験する時期が遅い傾向があります。その結果として、成人後の早いうちから「出会い」に対する焦りの意識を抱え、それが婚活イベントへの積極的な参加につながっているのかもしれません。

婚活イベントで飛び交う「戸籍はどこ?」

 今回筆者も婚活イベントに参加してみました。上海市での参加料金は100元から200元ほどが中心のようです。