令和の現在、夫婦の3組に1組は離婚する。残る3分の2の多くも、大なり小なり問題や悩みを抱えている。ネットニュースやSNSでリアルな夫婦像に触れる機会が増え、我が身を振り返る人も少なくないだろう。9月6日に新著『妻が怖くて仕方ない』(ポプラ社)を上梓したジャーナリストの富岡悠希氏が「日本の夫婦の今」を明らかにする本連載。今回は、当事者の1人として男性DV被害者を考察する。
◎これまでの連載はこちらから
第1回:妻の暴力で脱臼、救急車で運ばれた僕が考える夫婦の「リアルと理想」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71659)
第2回:「既婚者合コン」に潜入、「良妻賢母」的なマリコさんに僕は困惑した(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/71835)
第3回:社会でも家庭でも力を失う「弱者男性」、変わる夫の立ち位置を直視すべし(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/72032)
(富岡 悠希:ジャーナリスト)
東京スカイツリーが紫色に
あちらも紫、こちらも紫、そこもここも紫・・・。東京スカイツリーなど各地の建造物が紫色の光に包まれる「パープル・ライトアップ」が、11月12日に予定されている。今年もSNSに「映える」写真が、多数投稿されることだろう。
この紫色は、女性に対する暴力根絶のシンボルである「パープルリボン」にちなんでいる。街中で配布されたり、国会議員らが身に付けていたりするのを見たことはないだろうか。
政府は11月12~25日の2週間を「女性に対する暴力をなくす運動」の期間に位置づけている。メディアでも、夫が妻に暴力を振るうDV(ドメスティック・バイオレンス)についての解説報道が増える。
もちろん重要な取り組みとして、筆者も支持したい。当日夜、紫色にライトアップされた写真を撮って、ツイッターに投稿するかもしれない。
女性に対する暴力の現況を知るため、関連データを紐解いてみよう。内閣府男女共同参画局が2021年3月に発表した「男女間における暴力に関する調査」に当たる。