幸せの道は人それぞれ見つけていくもの

 この仕事をしていてよかったと思うことは?という質問に、少し考えてから「カウンセリングのあと、今日はよくできた」なんて思うことはないんです、と答えた池田さん。

「今日のカウンセリングはうまくいった、なんて思うことはなく、少しでも助けになったかな、お役に立てただろうかと思っています。

 でも数年後、『あの時話を聞いてもらってありがとうございました』という近況報告のメールをもらうのが、何よりも嬉しいですね。たとえ『妊娠しました』でなくても、その方の人生で、少しでも明るい何かが見つけられたら、本当によかったって思えます。

 幸せへの道に、正解や不正解なんてない。いろんな道があって、立ち止まって、たくさん悩んで。そうやって幸せになるための道を選んで進むとき、本当に輝いて見えるんです」

 不妊カウンセラーという職業は、池田さんにとってその道を初めから目指し進んできたものではなかった。それでも人生の積み重ねによって“自分だからできること”を見出し、たどりついた今。そんな池田さんの言葉は、多くの人の心を照らしている。

池田麻里奈さんてこんな人! ご本人のリアルに迫る一問一答。

――仕事における座右の銘は?

継続は力なり。
続けていれば、どんなことでも形になると信じています。

――耳を傾けてよかった人からの言葉は?

あなたの中にも偏見があるんじゃないの?

――大変な時に助けられた物や人は?

夫と今は亡きセキセイインコ。
死産のあと、行き場のない愛情をすべて吸収してくれました。

――今やりたいことは?

カウンセリングルームの改造。

――独立、企業したことで犠牲にしたことは?

プライベート。実名や不妊の過去を公表する際に夫に相談したのですが、夫自身も知られることになるにも関わらず背中を押してくれました。今では感謝。

――ストレス解消法は?

鎌倉女子会で美味しいもの食べること!
共通点はみんな鎌倉移住組。年代は20代、30代、40代と幅広いのですが、女友だちとのひとときが最高のリフレッシュに。

――毎日必ずやることはある?

植物の手入れ。

――落ち込んでしまう時の対処法は?

海。ひとりで海の見えるカフェに行きます。

――どんな世の中になってほしい?

どんな人も生きやすい世の中になってほしいと切に願います。

――池田さんにとって成功とは?

人の笑顔。

不妊治療から養子縁組に至るまでを池田さんご夫婦それぞれの視点から綴ったエッセイ。『産めないけれど育てたい』(KADOKAWA)