8月31日、コロナ隔離明けの記者会見で岸田文雄首相が自民党と統一教会の関係について「自民党総裁として率直にお詫び」と発言(https://www.youtube.com/watch?v=L07LhTEnEd0)したことは広く報じられる通りです。
茂木敏充幹事長は「今後一切(統一教会とは)関係を持たない」ことを「党の基本方針として決定」「守れない議員には」「同じ党では活動できない」と離党勧告も辞さずの決然たる姿勢を表明してはいるのですが・・・。
もちろん統一教会の霊感商法はトンデモない代物で、私個人は長年オウム法廷に関わり、全国霊感商法対策弁護士連絡会とも協働経験もあります。
でも現状では「世界統一平和家庭連合」と名前を変えたこの団体、「一応」2022年9月時点でも、1964年に許認可を受けた宗教法人であるのは間違いありません。
そこで「特定の宗教法人との関係を断つ」と高らかに宣言することは、どれだけ世論対策が大事でも、党利党略派利派略があろうとなかろうと、原則論としては赤信号が灯ります。
刑事事犯の事実などを基にに、まず旧統一教会の宗教法人の許認可を取り消し、その上で「関係を断つ」が本来の筋、拙速なマスコミ対策は脱法的です。
かなり「広告代理店的」なアピールと指摘しなければなりません。
8月31日の「コロナ明け」記者会見で、岸田首相はこれと前後して、自民党内での根回しなどをすっ飛ばし、いきなり「国会の閉会中審査」に「自ら出席」「テレビも入れて」「国葬儀」に関する説明を自らの言葉で語る意向と発言しています。
しかし、これについても上と同様の「性急」あるいは「拙速」を指摘する必要があります。
ほかでもない「行政府の長」内閣総理大臣が、国会=立法府内での与野党事前調整を経ることなく、個人の一存で立法府=国会への出席、テレビでも説明したいと意思決定、記者会見で広くマスコミに伝えてしまえば、後に引き下がるのは困難でしょう。
こんな具合で首相の国会出席が断行されてしまうなら、憲法の定める三権分立の否定にもなりかねません。
議院内閣制の枠組みのもとでは、行政府の長である内閣総理大臣が、立法府すなわち国会に、国会サイドの適切な根回しを経た上で登壇するのがデュー・プロセス、本筋です。
しかし、記者会見でいきなり「テレビも入れて自分の言葉でご説明したい」では、何のための法制度か、分からなくなってしまう。
これまた「広告代理店」的なイメージづくり先行の性急さ、拙速な判断と言わねばならないでしょう。
こうした「空振り」というより逆効果が続くなか、どうして「国葬儀」に代理店政策がこだわるのか、その一背景を考えてみましょう。
1963年11月22日、米国テキサス州ダラスで、やはり射殺されたJ.F.K.ことジョン・フィッツジェラルド・ケネディ元大統領(1917-63)のケース・スタディです。