英国時間の2022年9月8日午後3時7分が第1報とのことですが、エリザベス女王が逝去との報道がなされました。まず謹んでご冥福をお祈りします。
96歳、1952年に25歳で即位してから実に在位71年目にあたります。逝去の2日前、9月6日も、実質最後の公務になった保守党党首のリズ・トラス首相(47)に謁見、任命。
最後の最後まで女王としての職務を果たし切り、立派な大往生と思います。これについては日本の皇室のケースと比較しておきましょう。
いま30代後半以上の世代なら、昭和の末期、天皇が意識不明の重体で輸血によって命脈を保つ時期が長く続いたことをよく覚えていると思います。
このとき皇太子夫妻であった現在の明仁上皇・皇太后夫妻は、天皇としての公務を全うする上での「引き際」を真剣に考えられました。
詳しいことは記せない事情もありますが、結論として長男である徳仁皇太子が還暦を過ぎる前、平成も30年を一期に譲位という決断が下され、現在の天皇に代替わりした。
エリザベス女王96歳、死の直前まで首相信任の公務は本当に立派と思いますが、同時に「チャールズ皇太子73歳での即位」が妥当な年齢と言えるのか。
諸国の王族級にもひしひしと押し寄せる「高齢化」の波のなか、政治的混乱を一切避けて成就した日本の明仁天皇による「譲位」は、非常に徳の高い行動として外交の場では評価が確立していることも付記しておきたいと思います。
個人的に思うことを一つ記しますと、エリザベス女王と私の母は誕生日が2日違いで、生きていたら同い年でした。
私の母は18年前77歳で亡くなっており、最後の3年ほどは認知症も進み要介護2の状態でした。
私の身近では、團藤重光先生(享年98)金子兜太さん(やはり享年98)と、最晩年まで「ボケ知らず」でかくしゃくとされていた先達も多いものの、戦争の大変な時代を生き抜いてきた中には、心身の衰えが著しい最晩年を迎えた例も、私自身の親も含め、決して少なくありません。
いわゆる「ピンころ」生涯現役、健康寿命延伸は「世界最速最長寿=最高齢化社会」に直面する日本にとって非常に重要な課題です。
皇室の継承権者が激減するなか、私は一貫して「女帝全くOK」というスタンスですので、エリザベス「女王」の逝去に当たって、日本でも「女性天皇」は全く問題ないという観点も、付記しておくべきでしょう。
と同時に、以下では他の識者も触れている「国葬」の観点も、多角的に検討してみたいと思います。